おばあちゃんとトム。さよなら、トム。
長いblogだけれど、犬、飼っている人なら、読める、かも。
ジャンルが『椙本の思ひ出人物録』とあるけれど、
今回は人間と犬、です。
おばあちゃんと叔父家族が住む家は、椙本の実家と同じ町にある。
かれこれ16年前。
おばあちゃんたちが住む家に泥棒が入った。
今でこそ足が弱くなり、1階で寝ているおばあちゃんはその当時は
2階で眠っていたそうだ。他の家族もみな2階で寝ていた。
出窓を破り、泥棒は居間にあったお金を持っていきやがった。
近所の何件かが被害にあったが、幸いにもケガ人はでなかった。
犯人もすぐ捕まったが、やはり泥棒に入られた事実は消せようがない。
そこで、叔父が用心棒として連れてきたのが、
まだコロコロとした子犬だった。知り合いから譲ってもらったらしい。
犬の中でもかしこいといわれている柴犬だ。
しかもメスなのにトムというネーミング。
叔父の命名だった。
トムはかしこかった。
足音やにおいで、吠える相手を見極め(?)ていた。
柴犬にしてはまんまる顔で、大きくなってもコロコロしていた。
おばあちゃんと、いつも一緒に散歩をしていた。
やがて年月は過ぎ、足がおぼつかなくなったおばあちゃんが、
目がほとんどみえずに物にぶつかって歩くおばあちゃん犬を
トイレのたびに連れていた。
用心棒としては心細くなったのか、
椙本が飼っている空桃(ミニチュアダックス)の子を飼いはじめた。
やたら吠えるところが番犬らしい?雄のミニチュアダックス。
Black And Brownでバブと命名された。
命名は勿論、叔父だ。
やんちゃ坊主の新入りバブを叱りつけるトム。
昼間は2匹の世話をおばあちゃんがしていた。
最近では祖母宅に行くと、挨拶といわんばかりに
居間の網戸をつき破り、飛び出してきて歓迎するバブと、
玄関先で静かに出迎えるトム。
(3年位前から、トムは庭先から玄関につながれていた。)
そして「いやあ、葉ちゃん、こないかなあなんて思ってたとこだよ」
「ってか、ばあちゃん…バブが今、そこの網戸をつき破って出てきたんだけど…」
「ああ、壊れているけど、飛び出した?ふーーん」
なんてのんびりのそのそと歩み寄るおばあちゃん…。
先週金曜日。
おばあちゃんが倒れて救急車で運ばれた。
1週間前に玄関で転んで、背中が痛くて、
痛みを抑えるために病院で処方してもらった鎮痛剤を飲みはじめ、
同時に血圧を下げる薬も継続して服用していた。
鎮痛剤がきれたので、最近は市販の鎮痛剤を飲んでいたらしい。
薬についてアバウトなあたり、先月の椙本と血のつながりを実感する。
金曜日は空腹時に飲んで、吐き気が止まらなくなったらしい。
母(祖母の娘)が慌てて病院にでかけていった。
おばあちゃんは、すぐに状態は良くなった。
ただ、背中の痛みがなくなったとはいえ、心配だからと
ひととおりの検査をしたところ、あばらが折れていた。
ってか、鎮痛剤を処方した病院は、一体何をみていたんだ…。
病院で叔母(祖母からみたら嫁)が、母に
「トムも最近、調子悪くてね。水も手でもっていってあげないと飲めないの」
とこぼしたそうだ。次々と体を壊していく『家族』に、不安を感じているのだろう。
これといって、他にいる理由もないし、早く帰りたいというおばあちゃん。
同じ病室の隣のじいさんの夜うめく声がうっとおしくて、
気晴らしに病院内を歩いていたら、
看護師に徘徊の兆候だと誤解を受けてしまったおばあちゃん。
今日、火曜日。
おばあちゃんが退院した。
でも、おばあちゃんが帰宅しても、玄関先にはトムがいない。
トムは昨日の月曜日、息をひきとった。
一週間前、玄関で転んだおばあちゃんを
救急車で運ばれていくおばあちゃんを
ただごとではない『外出』を
トムはどう感じていたんだろう。
トムが食べ物も、飲み物も、口にしなくなって一週間。
叔父夫婦の会話で、
おばあちゃんが帰って来ることを耳にして、安心したのだろうか。
トムはどこまで人間の会話を理解できていたか、わからない。
『がんかけ』とか、『みがわり』とか、
人間の都合のいい馬鹿げた解釈かもしれないけれど、
それでも…。
トムは火葬されて、
クリスチャンのおじいちゃんと、同じお墓で眠ることになった。
ただ、おじいちゃんはトムと面識がないのだけれど、
おばあちゃんの家を守った者同士、きっと仲良くやるに違いない。
わたしは、このblogの記事を入力している間、
ずうっと、ノドの奥のあたりがキュっとしている。

ジャンルが『椙本の思ひ出人物録』とあるけれど、
今回は人間と犬、です。
おばあちゃんと叔父家族が住む家は、椙本の実家と同じ町にある。
かれこれ16年前。
おばあちゃんたちが住む家に泥棒が入った。
今でこそ足が弱くなり、1階で寝ているおばあちゃんはその当時は
2階で眠っていたそうだ。他の家族もみな2階で寝ていた。
出窓を破り、泥棒は居間にあったお金を持っていきやがった。
近所の何件かが被害にあったが、幸いにもケガ人はでなかった。
犯人もすぐ捕まったが、やはり泥棒に入られた事実は消せようがない。
そこで、叔父が用心棒として連れてきたのが、
まだコロコロとした子犬だった。知り合いから譲ってもらったらしい。
犬の中でもかしこいといわれている柴犬だ。
しかもメスなのにトムというネーミング。
叔父の命名だった。
トムはかしこかった。
足音やにおいで、吠える相手を見極め(?)ていた。
柴犬にしてはまんまる顔で、大きくなってもコロコロしていた。
おばあちゃんと、いつも一緒に散歩をしていた。
やがて年月は過ぎ、足がおぼつかなくなったおばあちゃんが、
目がほとんどみえずに物にぶつかって歩くおばあちゃん犬を
トイレのたびに連れていた。
用心棒としては心細くなったのか、
椙本が飼っている空桃(ミニチュアダックス)の子を飼いはじめた。
やたら吠えるところが番犬らしい?雄のミニチュアダックス。
Black And Brownでバブと命名された。
命名は勿論、叔父だ。
やんちゃ坊主の新入りバブを叱りつけるトム。
昼間は2匹の世話をおばあちゃんがしていた。
最近では祖母宅に行くと、挨拶といわんばかりに
居間の網戸をつき破り、飛び出してきて歓迎するバブと、
玄関先で静かに出迎えるトム。
(3年位前から、トムは庭先から玄関につながれていた。)
そして「いやあ、葉ちゃん、こないかなあなんて思ってたとこだよ」
「ってか、ばあちゃん…バブが今、そこの網戸をつき破って出てきたんだけど…」
「ああ、壊れているけど、飛び出した?ふーーん」
なんてのんびりのそのそと歩み寄るおばあちゃん…。
先週金曜日。
おばあちゃんが倒れて救急車で運ばれた。
1週間前に玄関で転んで、背中が痛くて、
痛みを抑えるために病院で処方してもらった鎮痛剤を飲みはじめ、
同時に血圧を下げる薬も継続して服用していた。
鎮痛剤がきれたので、最近は市販の鎮痛剤を飲んでいたらしい。
薬についてアバウトなあたり、先月の椙本と血のつながりを実感する。
金曜日は空腹時に飲んで、吐き気が止まらなくなったらしい。
母(祖母の娘)が慌てて病院にでかけていった。
おばあちゃんは、すぐに状態は良くなった。
ただ、背中の痛みがなくなったとはいえ、心配だからと
ひととおりの検査をしたところ、あばらが折れていた。
ってか、鎮痛剤を処方した病院は、一体何をみていたんだ…。
病院で叔母(祖母からみたら嫁)が、母に
「トムも最近、調子悪くてね。水も手でもっていってあげないと飲めないの」
とこぼしたそうだ。次々と体を壊していく『家族』に、不安を感じているのだろう。
これといって、他にいる理由もないし、早く帰りたいというおばあちゃん。
同じ病室の隣のじいさんの夜うめく声がうっとおしくて、
気晴らしに病院内を歩いていたら、
看護師に徘徊の兆候だと誤解を受けてしまったおばあちゃん。
今日、火曜日。
おばあちゃんが退院した。
でも、おばあちゃんが帰宅しても、玄関先にはトムがいない。
トムは昨日の月曜日、息をひきとった。
一週間前、玄関で転んだおばあちゃんを
救急車で運ばれていくおばあちゃんを
ただごとではない『外出』を
トムはどう感じていたんだろう。
トムが食べ物も、飲み物も、口にしなくなって一週間。
叔父夫婦の会話で、
おばあちゃんが帰って来ることを耳にして、安心したのだろうか。
トムはどこまで人間の会話を理解できていたか、わからない。
『がんかけ』とか、『みがわり』とか、
人間の都合のいい馬鹿げた解釈かもしれないけれど、
それでも…。
トムは火葬されて、
クリスチャンのおじいちゃんと、同じお墓で眠ることになった。
ただ、おじいちゃんはトムと面識がないのだけれど、
おばあちゃんの家を守った者同士、きっと仲良くやるに違いない。
わたしは、このblogの記事を入力している間、
ずうっと、ノドの奥のあたりがキュっとしている。





