途切れた糸。
年賀状を出したのは、2007年になって、2時間後のこと。
今からおよそ10日前だ。
今日、仕事が終わって家に帰ると、
居間のテーブルの上に私宛に年賀状が1通、戻ってきた。
戻ってきた、というのは「返事」としてではなく、
自分が書いたつたない絵はがきが手元に返ってきた、という意味。
質の悪い紙にただ、転送期間終了の為、配達できないと書かれて
宛名のところにぺたりと貼られているだけ。
虚しいもんだ。
とうとう、その人との細い糸が切れてしまった。
筆無精の男で、最後にもらった年賀状と最初にもらった
年賀状は同一のもの。つまり、その男からもらった
年賀状というものは、1通だけだったのだ。
私だけというわけではなく、誰にも年賀状を出す気もない
ような男だったから、最初から期待するだけ無駄だと
諦めてはいたけれど。
その人はアパート住まいのため、
気を使って実家に絵はがきを送っていたのだが。
「連絡は途絶えた」。
糸が途切れ、消えゆく様。
なんというか。飛行機雲みたいな感じ。
さっきまであったのに、端からするりと消えていく感じ。
きっと、糸の切れ端も、きれいさっぱりたぐり寄せられたんだな。
これといって、その男に対して、
何か期待だの怨恨だの当てつけだのといった
感情はこれっぽっちも無かったのだが、
ただ存在だけはあって欲しかった。
もう、いないぜ?という連絡だけが手元に舞い戻ったことで、
時間がゴッソリ消えて「ハイ、それは夢でした」ってオチ。
最悪な気分だ。
4-5年分、寝過ごしたようだ。
目覚めが悪すぎる。



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